
毎朝、私は甲府から電車に乗って立川まで通っています。静かな車内の空気も、どこか人の気配をやさしく包んでいるようで、私はその中にそっと身を預けています。
私は勤めるために、都内へ向かいます。きっと、たくさんの人が同じようにして毎日を過ごしているんだと思います。それでも、ふとした瞬間に「これは本当に生きるってことなんだろうか」と、自分に問いかけてしまうことがあります。
東京にはたくさんの人がいます。お店は人であふれています。けれど、不思議なくらい、心が離れているように感じることがあります。すぐそばに誰かがいても、話すこともなく、目を合わせることもなく、ただそれぞれの目的地に向かっている。
そんな光景に、自分も溶けていくような、心細い気持ちになるときがあります。
不思議なことに、東京で一生懸命働いて、稼いだお金を使って、みんな自然の中に向かっていきます。山に登ったり、川辺でキャンプをしたり、緑の中で深呼吸したり。

都会の建物の中で守られて生きている私たちが、今度はその外へ、わざわざ危ないかもしれない場所へと足を運ぶ。その姿が、なんだかとても人間らしく思えます。
最近、お世話になっている鈴木さんの本を読みました。「なぜ新築マンションには自然素材が使われないのか」というタイトルでした。
とても静かだけど深い問いかけで、読んでいるうちに、自分の中に眠っていた記憶が呼び起こされました。
木のぬくもりや、畳の手触り。今でも私の実家がある6畳2間の団地。外の階段で、緑や畑をみながら、友人と会話した夏の日。
自然の素材って、ただの「もの」じゃなくて、「やさしさ」や「安心感」を持っているんだなと思いました。
東京で暮らすことは、たしかに便利で、安全で、効率的かもしれません。しかし、そこにはどこか「呼吸しにくさ」があるような感じもします。
人も建物も、きちんと整っているのに、どこか“生きている”という感覚が遠ざかっていくような。
復路の甲府に向かう時、少しだけ心がほっとします。車窓から見える山のかたちや、空の広さを眺めていると、ちゃんと自分に戻れるような気がするんです。そして、トレーニング部屋に向かい、昨日の自分と勝負する。
毎日の通勤は、ただの移動じゃなくて、もしかしたら「自分への問いかけ」なのかもしれません。自分はどう生きたいのか。
その答えはまだ見つかっていないけれど、それでもこうして行ったり来たりしながら、少しずつ考えていけたらと思っています。
では、笑顔の1日を。とおる

